はんだ付けの練習
授業の目的と趣旨
AI技術が急速に発展してからでしょうか。教育業界にて、すごい速さでプログラミング教育などのソフト面が注目されるようになりました。AI技術が発展する前から日本は海外と比べて、プログラミングができる優秀な方がはあまりいないということは言われていたので、この動向はとても良いことだと感じます。
その一方で、AIで利用するためのデータを採取するためには様々センサーが必要であることには、あまり着目されていないような気がします。センサーの不備やデータの採取方法が間違っていたら、どれだけAIが優秀であっても正しく機能することはないでしょう。(AIでデータの不備すら見抜けるのだろうか?
さて、そんなセンサーを正しく利用するためには電子工作の技術が必要であり、その電子工作において必須の技術といえるのが今回学習するはんだづけとなります。
小学3年生対象の授業ではありますが、今後の実験においてとても大切な技術なので頑張ってはんだづけの練習を行ってもらいました。
そもそも「はんだ」ってなんですか?
はんだとは、錫と鉛が6:4で混じりあってできる合金ことです。
ほとんどの金属は溶ける温度がとても高く、そのため意図的に溶かすことが非常に困難です。例えば、比較的簡単にとけるとされるアルミでも600℃以上の高温が必要です。
一方で「はんだ」は溶けだす温度が約183℃と、非常に低い温度でである点が他の金属とは違う特徴となります。
そのため、他の金属と違い小さいヒーターでも簡単に溶かすことができて、電子工作を行うにはうってつけの金属です。
ただ、鉛は人体にあまりよくないということで、少し前からスズ 99% 銀 0.3% 銅 0.7% の鉛フリーはんだが使用されています。教室では当然鉛フリーのものを使用しています。
さて他の金属と違い溶かすのが簡単な「はんだ」ですが、そうはいっても183℃以上加熱しなければなりません。普通に183℃のものを触ってしまったら、やけどどころでは済まないですよね。そこで使われる道具がはんだごてです。
はんだ付けの練習!
もちろんはんだごての先端は183℃以上の熱を帯びるため取り扱いにはそれ相応の注意が必要ですが、注意事項をしっかりと守れば、下記の写真のように小学3年生ぐらいから十分に使用することができるようになります。
授業中に以上のような利便性と危険性の両方を説明と、さらにはんだ付けの実技の説明をしていかなければならないため、どんどん時間が過ぎていいきます。そのため、早くやってみたいと急かしてくる子どもたちに対して、毎回申し訳ない気持ちになります。
さて、そんな急かしてくる子どもたちですが、実際にはんだ付けを行うときには温度の話しとやけどの話しをしたこともあり、びくびくしながら工作をしています。これは子どもたちが、けがの可能性がある行動をしていると自覚しているいい兆候でもあります。
そんな子どもたちですが、10分もするとほとんどの子どもが基礎的取り扱いができるようになり、安全確保もできるようになります。
この成長力は本当に子どもたちの特権ですね。
写真は基盤に3本の抵抗して取り付けていませんが、最終的には10本以上の抵抗を取り付けてもらいます。
これって何かに使えるの?
はんだ付けの練習中に「これって何かに使えるの?」とよく聞かれます。基盤に抵抗を取り付けただけなので、電気回路としての使い道はまったくありません。
なんですけど、その抵抗を取り付けただけの基盤を大切そうな持って帰る子どもたちの様子をよく見ます。
教えている側としは何か意味のあるものを持って帰ってもらいたいと思いがちですが、子どもたちからすれば自分たちが一生懸命取り組んだものはすべて意味がある大切なものなんだと、その姿を見て実感をさせられます。
なんだかんだと、はんだ付けの基礎技術を身につけてもらい、以降は【1.みのむしクリップの製作】【2.豆電球の製作】の順に工作を行っていきます!
シャープペンシルの芯で電球作り
はんだ付けができることが必須の工作
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