水の温まり方と水蒸気を利用した実験
実験のめあて・学んでほしいこと
水の温まり方は小学校4年生の「すたがをかえる水」の単元内でも行う内容です。
それでも実験教室で同じような授業を行うのは「データの採取」「観察」「データのグラフ化」「考察」と科学を学ぶ上で必要な技術や考え方が詰まっているからです。
この授業では学校の学習内容に少し便乗させていただきながら、プラスアルファの実験を行うことでより多くの知見を学んでいただきます。
水の温まり方を調べる
アルコール温度計を正しく読み取る
さて、この授業で最初に行う実験は加熱している水の水温を調べる実験です。
大人からすると大したことがないと思われがちな実験内容ですが、この実験を行うには2つのハードルがあります。そのひとつはアルコール温度計の読み取りです。
小学校内にある温度計はおそらくアルコール温度計だと思われますが、それでもアルコール温度計から正しく温度を読み取るのはとても難しいようです。
例えば、10℃を1℃と読んでみたり、-3℃を-7℃と読んでみたりといった具合です。
そのため正しく温度計を読み取るようになるためには多少の練習が必要となります。
コンロを正しく利用する
水温の上がり方を調べる実験のハードルその2はコンロの使用です。
ただコンロについては小学生低学年のころから何回も練習をしてきたので、あまりコンロを触ったことがない児童よりは間違いなく安全に使用することができます。
この2つのハードルをクリアして行った実験の様子がこちらです。
突沸を防ぐための沸騰石
水の温まり方の単元を行う上で重要な技術は先に紹介した「アルコール温度計を正しく読み取ること」と「コンロの取り扱い方」の2つになります。
この2つとは別に知識として知っておいてほしいのが「突沸を防ぐために沸騰石を利用する」ということです。
ちなみに、下記動画のように水を沸騰させたときに、急に水が飛びだしてしまう現象を突沸と言います。
沸騰石はこの突沸現象を和らげるために使用します。そのため、実験を安全に行う方法として沸騰石もぜひ覚えておいてほしいです。
水蒸気を利用した実験
水蒸気で紙を焦がす実験
1気圧下で水が沸騰する温度が100℃であることを伝えると、多くの児童は「水は100℃までしかあがらない」と勘違いしてしまいます。
ただこれは子どもたちが悪いのではなく、そのように勘違いさせてしまうような授業構成を組んでいるこちら側に責任があります。
そのような勘違いを是正すべく、水温の上限は100℃ではなくそれ以上に加熱することも可能であり、加えて水蒸気で紙を焦がすこともできることを実験で証明をしていきます。(※実験を行わずに口頭だけでは意外に信じてくれません。
実験の様子はこちらです!
100℃を超えて一気に120℃と表記されたときに反応が、水温は100℃までという固定観念が壊れた瞬間ではないでしょうか。
ちなみ動画ではわかりづらいですが、水蒸気をさらに加熱することによって300℃以上の蒸気を作り出しています。
その水蒸気を利用して紙を焦がす実験も行いました!
水の温まり方の実験だけで5週間の時間を費やしましたが、それだけ実験の基礎となるような重要な要素が集まっているそんな授業となりました。